レーダーや半導体製造装置などによく用いられるハイパワー・パルスの回路において、減衰器(アッテネータ)や終端器(ターミネータ)を実装する場合、部品の選定には特に注意をしていただく必要があります。
カタログで表示されている最大許容電力が回路上の平均電力を上回っていれば大丈夫、と単純に考えるのは、製品の信頼性を確保する側面からは十分な設計とは言えません。
一般的には、パルス波と連続波で、仮にパルス波のピーク電力と連続波の平均電力が等しいとすれば、連続波の方が部品に与えるストレスは大きいと考えるかもしれません。しかしながら少なくとも減衰器や終端器などの抵抗素材を使用して部品内部で電気エネルギーを熱に変換する部品の場合、実際は特に比較的周期の長いパルス波が与えられたときに最も大きなストレスがかかることになります。
このことはフランジと抵抗素子サブストレートの熱膨張率の差に起因します。
長い周期でパルスのオンとオフが繰り返されると、フランジとサブストレートの熱膨張率の違いから、膨張と収縮に伴い両社が結合している部分に強いストレスがかかります。この状態が長く続くと両者が剥離するという問題を引き起こします。
抵抗素子を用いる各種パッシブコンポーネントを製造するメーカーは、長い間この問題に挑戦を続けてきています。
バリーはこの問題に対して他社に先駆け、ソリューションを提示することに成功しました。
ハイパワーパルスにまつわるこの問題に関心のある方、あるいは悩まされてきた方は、是非バリーの銅タングステンフランジを採用した製品をお選びください。
銅タングステンフランジを採用した製品の価格は一般製品に比べるとはるかに高価ではありますが、お客さまのシステムの信頼性の向上、ダウンタイムの増加による機会損失という側面と合わせて考えれば、その価格差は十分に見合うものとなるでしょう。
フランジと抵抗素子サブストレートの各種素材の熱膨張率については下記の表をご参照ください。
銅タングステンの熱膨張率が、ハイパワー対応製品に使用されるサブストレートである酸化ベリリウム、あるいは窒化アルミニウムとも近いことがご覧いただけます。